食道がん
初期段階ではほとんど症状がないため、健康診断や人間ドックで発見されるケースも珍しくありません。食道がんは進行すると徐々に症状が現れてくるので、本人も自覚できるようになるでしょう。主な症状は胸や背中の痛み、体重減少、咳、声のかすれなどで、がんが大きくなると食道の内側が狭くなり、食べたり飲んだりする時に喉に詰まるような感じがすることもあります。
肺がん
肺がんも初期段階ではほとんど症状がなく、健康診断などで発見されるケースが一般的です。しかし、がんの部位によっては咳や痰など呼吸器の症状が現れることもあります。進行するとがん細胞が肺の構造を破壊し、咳、痰、呼吸困難、発熱などの症状を引き起こします。また、肺の周囲の神経にがんが浸潤し、前胸部痛や嚥下障害、声のかすれが生じたりもします。さらに、感染症にかかりやすくなるため、肺炎を併発することもあります。末期になると脳に転移し、様々な神経症状が現れます。
前立腺がん
前立腺がんは進行速度が非常にゆるやかながんです。他のがん同様、初期段階ではほとんど症状が現れません。現在健康診断で広く行われているPSA検査で偶然発見されるケースが多いようです。発症しても自覚症状がなく進行速度がゆるやかなので、何の症状も感じないまま一生を終えるケースも少なくありません。しかし、症状が進行してがんが大きくなると、前立腺の近くにある膀胱を物理的に圧迫するため、尿閉、残尿感、頻尿、血尿などの症状が見られるようになります。また、腰椎や骨盤などの骨に転移しやすく、激しい痛みを引き起こすこともあり、痛みが原因でがんだと発覚するケースもあります。
肝臓がん
肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれています。よほど重症でない限り症状が現れにくいため、このように呼ばれているわけですが、肝臓がんも初期段階ではほとんど自覚症状がありません。まれにがんが胆管の周囲にある場合に黄疸が見られることがありますが、他のがん同様、健康診断の血液検査や超音波検査で発見されるケースがほとんどです。症状が進行すると、倦怠感、発熱、腹水、血管の大きな膨張などを引き起こします。胆管が閉塞すると黄疸も見られますが、この頃になると肺や脳に転移していることが多いため、残念ながら治療を行っても生存率はそれほど高くありません。また、がんが体表から腫瘤として現れるようになります。標準的な体型の人だと皮膚の上からも確認できます。