病気を未然に防ぐために有効
健診は病気を未然に防ぐために有効な手段で、40歳以上になるとメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)のリスクがあるかどうかを調べる特定健診も追加されます。リスクがある人は糖尿病や脳卒中などの病気を発症する可能性が高いので、生活習慣を変えるために保健指導を受けることになります。
健診を受けるメリットは生活習慣病など自覚症状のない病気の早期発見や予防をはじめ、保健指導などのサポートが受けられる、脳卒中、心筋梗塞など重大な病気の予兆を発見できる、などです。また、病気を早い段階で見つけられるので長期入院や治療を免れることができ、患者本人だけでなく家族の負担軽減にもつながります。
働いている人が対象
健診には労働者に受診が義務づけられている定期健康診断と個人の意思で受診する任意健康診断があります。
労働者を対象とした健康診断は労働者が自らの健康状態を把握し、適切に健康管理するために必要なものであり、また、労働者の健康状態から職場における有害要因を発見し、改善するためにも重要なものです。事業主は定期健康診断の結果から労働者の健康を保持するために必要な措置について医師の意見を聞き、業務の配置転換など必要な措置を講じることが義務づけられています。
新しく設けられた「特定健診」
近年、生活習慣の変化などにより生活習慣病による死亡者数が増加しています。そのため、2008年4月より40~74歳の人を対象とした特定健診が新たに設けられました。
特定健診では服薬歴や喫煙歴などのアンケート、身長、体重、BMI、腹囲などの身体測定や血圧測定、尿検査、血液検査などを行い、一定の基準のもと、医師が必要と認めた場合は心電図や眼底検査、貧血検査などの精密検査を行います。
診断結果は成績表のようなもの
健康診断の結果は健康診断書という形で本人に通知されます。前回の健診結果と比較することで健康管理に役立てることができるでしょう。また、病気になった時にも参考になるので大切に保管しておいてください。もし、検査結果に「要検査」「要治療」と記載されている場合は速やかに医療機関を受診し、対処することをおすすめします。「自覚症状がないから」と放っておくと病気が進行し、悪化する可能性があるからです。そのまま放置してはいけません。