検診センターの概要
病気の予防や早期発見のために様々な検査を行い、人々の健康をサポートする施設です。多くの人は体の不調を感じた時に病院を受診しますが、中には自覚症状がないまま進行する病気もあります。検診センターでは自覚症状がない段階で病気の兆候を発見するために、様々な検査を実施しています。
検診センターには病院に併設されている施設と、独立している施設があります。病院に併設されている施設には臨床経験の豊富なスタッフが揃っており、病気を発見した場合は併設している病院と連携し治療につなげやすいのが特徴です。一方、独立型の施設は併設型よりも健診・検診に特化しているので、効率よく大量の検査ができます。
その他、指定された場所に出向いて検査・診断を行う巡回型の検診センターもあります。
看護師の働き方
検診センターでは様々な検査を実施しているため、医師や看護師だけでなく、保健師や診療放射線技師、臨床検査技師など働いている人の職種が幅広いのが特徴です。
看護師の主な仕事は、採血や身長・体重・血圧などの身体測定、診察の補助などです。検診センターには毎日多くの患者が訪れるため、看護師には迅速かつ正確な対応が求められています。特に採血は必須なので、注射に苦手意識のある人は大変かもしれません。
検診センターは基本的に予約制です。検査時間が決まっており、病院のような夜勤や当直、オンコールはありません。残業も比較的少なく、検査内容も決まっているので同じ仕事の繰り返しがほとんどです。そのため、ブランクがある人や育児と両立させたい人から人気があります。
ただし、同じ検診センターでも人間ドックを行っている施設は患者が全額自己負担で行う検査が多いため、患者というよりもお客様として扱うことになります。より丁寧な対応が求められていることから、時には厳しいことをいわれたりもします。待ち時間に対するクレームも多いので、多くの受診者を効率よく検査しなければなりません。流れを遮らないようにとプレッシャーを感じる人もいるでしょう。
指定された会場に出向いて検査を行う巡回車で健診や検診を行うケースもありますが、その場合は様々な場所に移動することになります。対応エリア内とはいえ、出張になることもあります。
検診センターは増加傾向にある
厚生労働省の調査によると、健診や検診の受診率は上昇しているものの、2016年から2020年までの目標として掲げられている「40~74歳の受診率80%以上」には達していません。しかし、近年は健康志向が高まっており、健診や検診を受ける人の数は徐々に増えてきています。
参考となるデータとして、2022(令和4)年における世帯員の健康状況の調査データがまとめられている厚生労働省のサイトを以下に紹介するので、気になる人は確認してみてください。
- 自覚症状の状況やがん検診の受診状況が記載されています。
- 国民生活基礎調査における自覚症状の状況やがん検診の受診状況をチェック!